ほくでん 第100回(2024) 定時株主総会 共同株主議案

2024/05/27

<株主提案 (第4号議案から第12号議案まで)>

第4号議案から第12号議案までは,株主提案。

なお,提案株主(37名)の議決権の数は,562個。

 

第4号議案   取締役および顧問への報酬の個別開示

第5号議案   相談役,顧問の廃止

第6号議案   原子力事業を含む不採算事業の廃止

第7号議案   迅速かつ透明性ある防災情報発信態勢の構築

第8号議案   核燃料移動・泊発電所の稼働等、重要決定に関する事前合意の義務化

第9号議案   業績連動型株式報酬制度の廃止

第10号議案 再エネ主力化と高効率新火力を二本柱とした脱炭素化促進

第11号議案 発電設備ごとの発電原価と売電価格を毎月公表する。

第12号議案 企業倫理委員会に傍聴者の参加を認める

 

 

第4号議案 定款一部変更の件(1)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第9章 取締役および顧問への報酬の個別開示

第41条 役員の報酬・賞与その他職務執行の対価として会社から受け取る財産上の利益は個々人別に遅滞なく公表する

第42条 有償の顧問・相談役等の特別な役職に対する報酬について会計年度内に遅延なく公表する

▼提案理由

この議案は,第89回定時株主総会より継続して提案し,毎回10%を超える賛成率,昨年第99回定時株主総会では25.33%の支持を得ている。

毎年の会計報告書には役員報酬は役員の総数に対して総額でしか提示されていない。会計はどこまでも透明化が求められる。その明細を明らかにし,株主に対して納得のいく説明を用意すべきと考える。また,公益企業である北海道電力の社会的責任の重さを鑑みれば,個々の役員報酬や有償の顧問など特別な役職の報酬を開示すべきである。

経営上の悪化を理由に、ここ数年,株主配当が無配ないし,5~10円程度の低い配当が続いている。役員報酬は,経営状況に応じて決めるべきものである。電力料金大幅値上げの申請に至るほどの経営状況下においても役員には少なからぬ金額が支給されている。

無配・低額配当を甘受し続けている一株主の立場として,経営責任のある役員及び顧問それぞれの報酬の開示を求める。

 

 

第5号議案 定款一部変更の件(2)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第10章 相談役,顧問の廃止

第43条 相談役,顧問を廃止する。(副会長,参与など役割の不透明な有償役職を設けない)

▼提案理由

この議案は,第89回定時株主総会より継続して提案し,毎回10%を超える賛成率,昨年第99回時株主総会では17.39%の支持率を得ている。

顧問,相談役等の役職は,報酬を支払いながら開示せず,役割も曖昧で,旧トップの不祥事の隠れ蓑ないし院政を続ける温床となることが株主や海外投資家から疑問視されている。多くの国内企業が顧問・相談役制度を廃止している。

本年2月20日に更新された当社コーポレートガバナンス報告書の「相談役・顧問」の項目では,相談役の記載はなく、名誉顧問4名の氏名・役職・地位を公表している。

原子力発電に関連する不祥事や,経営不振に至った責任を問われるべき人物が顧問に就いている。取締役退任後も会社運営に影響を与え続ける可能性はわずかでも容認できない。本会社は今後も有償・無償に関わらず相談役や顧問など゛の不透明な役職を置くべきではないと考える。

 

 

第6号議案 定款一部変更の件(3)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第11章 原子力事業を含む不採算事業の廃止

第44条 原発を含む発電施設のライフタイムコストが営業上、マイナス試算になる場合は、直ちに該当の発電設備を廃棄する

第45条 経営健全化のためライフタイムで事業成果が出せない発電事業は廃止する

第46条 試算により事業利益が見込めないことが示された場合、ただちに廃棄手続きを行う

▼提案理由

本会社はホールディングス全体として、電源の安定供給を維持するため、自然再生エネルギーへの転換や新発電設備導入に必要な設備費、維持費が会計報告されている。また、経営を健全化し、電力消費者ほか全てのステイクホルダーに対し、発電、配送電を含む事業が、事業の成果として有用な利益を生む実績を示すことを期待されている。

近年、エネルギーや資源の極端な高騰により、設置時に想定していた廃炉費用などが積立金だけでは足りなくなることや、廃棄時期までを見越した維持費、廃棄費用を含む試算により、事業としてマイナスを示すことが考えられ、稼働予定期間内に設備投資分が回収できるかが心配されている。

このため、予測の試算を保守的にしたうえで、事業として、さほど利を産まない、むしろマイナスとなる可能性が大きい場合は、早期に発電事業として、該当発電事業を廃止し、廃棄の手続きを開始することを提案する。

 

 

第7号議案 定款一部変更の件(4)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第12章 迅速かつ透明性ある防災情報発信態勢の構築

第47条 泊発電所における緊急事態により被災の恐れがある全ての人々の、最大限の被曝防護及び安全な避難を可能にするために、本会社は、必要な多重化されたモニタリング態勢と、迅速かつ透明性ある防災情報発信態勢を構築する

第48条 本会社はそのための連絡会を、北海道、後志管内20市町村、札幌市、及び希望する道内市町村の首長、防災担当者、住民団体と共に立ち上げる

第49条 泊発電所において、施設・設備に何らかの異常事態が起こった場合には、本会社は北海道及び上記連絡会の各構成員に対し、遅滞なく情報を開示するものとする

▼提案理由

原子力災害に係る防災・避難対策の準備及び災害時避難等の対応の責任は自治体に課せられているが、その初動には災害の原因たる施設内異常に関する迅速かつ透明性ある情報開示が欠かせない。

元日に発生した能登半島地震の際、北陸電力は発災直後には「志賀原発に異常なし」としていたが、変圧器の故障・油漏れ、外部電源の一部喪失、使用済燃料プール冷却ポンプの一時停止、同プールからの溢水など数々の異常事態が起きていたことを後から小出しに公表した。事業者の原発施設内異常に関する確認態勢の甘さ、原子力災害時の情報信頼度への懸念が改めて深まった。

万一泊発電所で緊急事態が起きた場合、周辺住民の安全確保に不可欠な情報の正確さと迅速な発信に責任を持つことは本会社の義務である。情報発信は原子力災害対策重点区域にとどまらず、風向きによっては被災が懸念される全ての地域の人々に必要である。よって上記防災情報共有体制の構築を提案する。

 

 

第8号議案 定款一部変更の件(5)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第13章 核燃料移動・泊発電所の稼働等、重要決定に関する事前合意の義務化

第50条 発電用燃料及び使用済燃料に関する何らかの操作、発電所稼働の是非等、防災上留意すべき事柄について判断を行う際には、北海道、後志管内20市町村、札幌市及び希望する道内市町村の首長及び防災担当者、住民団体に対し十分な事前情報提供と意見聴取を行い、最終的な決定には上記全市町村の合意を要するものとする

▼提案理由

原子力災害対策指針に、事業者は原子力災害対策について大きな責務を有しているとされている。

本年1月の能登半島震災で、多重複合災害時に原発事故が起これば被災住民は避難・被曝防護の術なく命と財産の危機に直面することが明らかとなった。

原子力防災対策の準備の有無に関わらず発災時の風向きにより被災当事者になり得ることは、福島第一原発事故の重大な教訓である。当時の近藤駿介原子力委員長による「最悪のシナリオ」では、使用済燃料プールが破損すれば250キロ圏が任意避難の対象になるとした。

公益企業の本会社には、泊発電所をたとえ稼働する場合でも、リスクを負う全ての人々の命と人権に配慮する責任がある。現行の安全協定及び安全確認協定ではこの責任を保証できない。原子力災害対策重点区域を超える広域の自治体及び住民に万一の被災を未然に防ぐ意思表示の機会を保証すべきである。よって重要決定に関する事前合意の義務化を提案する。

 

 

第9号議案 定款一部変更の件(6)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第14章 業績連動型株式報酬制度の廃止

第51条 過去の業績連動報酬と株式報酬を全て返還し、株主の配当及び電気料金価格調整分に回すこと

▼提案理由

本会社の業績連動型株式報酬制度の導入については第97回定時株主総会で承認された。本会社は昨年度、多額な収益減少を理由に規制料金大幅値上げをする判断に至り、消費者に負担を強いた。昨年2023年4月20日の公聴会では「役員報酬の減額」を「経営不振の責任」と認めた。他電力会社のカルテル問題などと同様の事案が本会社であったか問われる中、当事者である取締役らは一般会計報告ではわかりにくい新制度を利用し、役員だけの特権的報酬として増額分を得ている。

役員報酬の上限を決めた一方で、業績連動型株式報酬制度の導入は取締役報酬を隠れて補填するものである。不公正で額が見えにくい報酬支給の仕方は、会計報告のガラス張りが求められる公益企業の経営上、相応しくない。

拠って、業績連動報酬と株式報酬制度の廃止、過去の業績連動報酬と株式報酬額全ての返還を求める。また、回収相当額は株主配当や電気料金に反映するよう求める。

 

 

第10号議案 定款一部変更の件(7)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第15章 再エネ主力化と高効率新火力を二本柱とした脱炭素化促進

第52条 再生可能エネルギーの主力化を目指す

第53条 当面は熱効率の高い新型火力への転換を推進

▼提案理由

再エネ主力化は必要だが、急ぎ過ぎた為に大規模な風車やソーラーによる環境・健康負荷のマイナス面も表れており、住民の声を聞きながら慎重に進める必要がある。それが結果として、脱炭素化を早めるだろう。

本会社が現時点で注力すべきは、最新技術を導入した熱効率が高い新型火力を進めることであろう。昨年、苫東厚真の石炭コンバインドサイクルについては「技術的信頼性が低く撤退した」と聞いたが、電源開発・磯子火力発電所のように超々臨界圧方式で熱効率45%程度の火力は全国にあり、旧火力より熱効率が数%~15%上昇している。

本会社は、石狩湾新港の天然ガスコンバインドサイクル発電所の建設延期を撤回し、更に休止中の伊達、廃止が決定した奈井江、砂川のような旧型の火力発電所を高効率最新型火力へ切変えるべきである。温排水を有効利用すれば尚良い。

再エネ主力化推進と新型高効率火力推進の2つを柱とした、脱炭素化促進を求める。

 

 

第11号議案 定款一部変更の件(8)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第16章 発電設備ごとの発電原価と売電価格を毎月公表する

第54条 本会社の発電設備ごとの発電原価と売電価格を毎月公表する

▼提案理由

電源別の発電費や発電電力量は年度ごとの有価証券報告書で見られるが、毎月の情報は掲載されていない。

発電設備ごとの発電原価と売電価格を毎月公表することにより、以下のメリットがある。

1.エネルギー市場が透明で公正に運営されることが保証される。

2.新規発電プロジェクトや既存の発電設備の改修・更新に関する投資決定を支援する。

3.発電設備の原価や価格と他の設備の比較を行うことができ、効率的なエネルギー生産方法や技術の採用が促進され、エネルギー効率の向上につながる。

総じて、発電原価と売電価格の毎月の公表は、エネルギー市場の透明性や効率性を高め、持続可能なエネルギー供給システムの構築に貢献する。

本会社の発電設備ごとの発電原価と売電価格を毎月公表することを提案する。

 

 

第12号議案 定款一部変更の件(9)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第17章 企業倫理委員会に傍聴者の参加を認める

第55条 企業倫理委員会が第三者的視点から見て、正常に機能しているかを確認できるように、株主が企業倫理委員会を傍聴可能にする

▼提案理由

北海道電力(株)および北海道電力ネットワーク(株)は、両社が一体となってコンプライアンスを推進するため、北電(株)社長を委員長とする企業倫理委員会(以下,「倫理委」)を設置している。

倫理委は、「コンプライアンス(法令・社内規程・企業倫理遵守)」の徹底や、コンプライアンスに反する事案への的確な対応・再発防止に向けた取り組みなど、ほくでんグループにおける取り組みを円滑かつ効果的に推進することを目的としており、四半期毎に定例委員会を開催している。

コンプライアンス指針には、運営や結果の公正性・透明性を持たせるため「事実」を「包み隠さず」「速やかに」発信し、ご意見を伺うとある。定例委員会議事録は「非公開」になっているが、ホームページ等で公表すべきである。

倫理委が第三者的視点から見て、正常に機能しているかを確認できるように、株主が倫理委を傍聴可能にすることを提案する。