ほくでん 第99回(2023) 定時株主総会 共同株主議案

2023/04/26

ほくでん 第99回(2023) 定時株主総会 共同株主議案

 

第1号議案 収益を得られる見込みのない発電事業からの撤退(原子力発電事業停止)

第2号議案 カルテル問題調査委員会を設置する。

第3号議案 送配電子会社 北海道電力ネットワークの資本を解消し、「所有権を分離」する

第4号議案 経営を圧迫するコストを削減するため、破綻会社への援助停止、及び出資済・支援済資金を引き上げる。

第5号議案 相談役,顧問の廃止

第6号議案 取締役および顧問への報酬の個別開示

第7号議案 放射性廃棄物を大気や海洋に放出・投棄しない

第8号議案 緩やかなカーボンニュートラルへの移行計画

第9号議案 地熱発電の推進

第10号議案 送配電設備のインフラ整備強化

 

 

 

第1号議案 定款一部変更の件(1)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第9章  収益を得られる見込みのない発電事業からの撤退(原子力発電事業停止)

第41条 発電時だけでなく、本会社の発電事業全体として、安全対策費やバックエンド、維持・点検費を含めた投資回収見込み、営業見通しを示す。

第42条 発電事業ごとに炭酸ガス排出削減に寄与する根拠および達成目標・計画を示す。

第43条 発電事業として各発電所の損益分岐試算とカーボンニュートラルに有用な事業である根拠を示す。

第44条 プルサーマル発電、国が奨める小型モジュール発電炉などの新規原子炉設置を含む、原子力発電事業によって本会社の資金調達や財務悪化につながる評価が出た場合、即座に原子力発電事業から撤退する。

▼提案の理由

本会社は、泊原発の安全対策に必要な工事の設計内容、完了時期、費用等を未だに示していない。再稼働時期も経済見通しとしての損益分岐も示せないまま、今期、大幅な電気料金改定を申請している。一方、停止中の泊原発の原子力発電費は、予測される収入不足分の456億円を超える500億円以上と報道された。原子力安全対策費が未定のため電力料金の試算に計上出来ていない。物価高騰によって原発廃炉積立費用の不足が生じる可能性が高い。国はGX政策の説明後に「原発稼働後に電気料金の下方修正(値下げ)は必ずしも約束できない」と述べている。原子力発電事業は市場・社会環境が激変し、価値が大きく棄損・座礁資産化している。投資家による当社の長期社債格付けは震災以降に低下したものの,2013年度以降は評価を回復し、維持している。今後は再エネ発電事業を拡大して電力を地産地消し、原子力発電事業をやめれば、巨額投資は不要になる。

 

 

 

 

第2号議案 定款一部変更の件(2)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第10章 カルテル問題調査委員会を設置する。

第45条 カルテル問題調査委員会は社外の第三者を入れて構成する。

▼提案の理由

本会社を含む大手電力10社が送配電子会社を通じて、経産省の再エネシステムを不正に閲覧していた問題が2月17日の北海道新聞で報じられた。今回の不正は日本全国で電気料金が高騰する中、大手電力各社のガバナンスが問われる深刻な事件であり、送配電部門の中立性・公平性の根幹を揺るがすものである。

電力小売り全面自由化と発送電分離は、10年前「電力システム改革」の大黒柱として進められた。本会社は、関西電力など他社で発覚した同様の営業目的での情報利用について、1月末には「そのような不正はなかった」とする調査結果を経産省に提出していた。報道によると情報閲覧による不正利用は確認されていないものの、本会社の信頼は大きく損なわれた。

公正な競争環境を整えるため、規制の強化や、北電ホールディングスの傘下にある送配電部門の独立性をさらに高めるよう、外部の人材を入れたカルテル問題調査委員会の設置を求める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3号議案 定款一部変更の件(3)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第11章 送配電子会社 北海道電力ネットワークの資本を解消し、「所有権を分離」する。

第46条 子会社である北海道電力ネットワークの資本を解消し、独立性のある送配電事業者とするために必要な措置を行う。

▼提案の理由

本会社を含む大手電力10社が、送配電子会社を通じて経産省の再エネシステムを不正に閲覧していた問題が相次いで報じられた。これに拠り、自由競争の公平性を担保し、同様の事例発生を完全に防ぐためにも、送配電事業を行う本社子会社である北海道電力ネットワークの資本を解消し、所有権を完全に分離することを求める。

本会社は、関西電力など他社で発覚した同様の営業目的での情報利用について、1月末には「そのような不正はなかった」とする調査結果を経産省に提出したが、報道によると情報閲覧による不正利用は確認されていないものの、本会社の信頼は大きく損なわれた。

公正な競争環境を整えるため、規制の強化や、北電ホールディングスの傘下にある送配電部門の独立性をさらに高めるよう、本社子会社である北海道電力ネットワークの資本を解消し、所有権を完全に分離することを求める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第4号議案 定款一部変更の件(4)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第12章 経営を圧迫するコストを削減するため、破綻会社への援助停止、及び出資済・支援済資金を引き上げる。

第47条 経営コスト要因となっている破綻会社:日本原子力発電への援助停止及び出資済・支援済資金を引き上げる。これに必要な処置を行う。

第48条 経営コスト要因となっている破綻会社:日本原燃株式会社への援助停止及び出資済・支援済資金を引き上げる。これに必要な処置を行う。

▼提案の理由

2011年以降、3度目になる本会社の電力料金大幅値上げの根拠として、経営全体のコスト増大により456億円もの収入不足を予測したためと公表した。(本年1月)

しかし、その後、燃料費の試算には直近の価格データを使うべきであるとする意見が続出し、申請時には34.87%としていた値上げ幅を6%程度(225億円ほど)圧縮する見通しが報じられた。燃油価格の変動によって今後も価格修正を余儀なくされるだろう。会計報告によれば、発電していない原発に毎年、500億円以上の原子力発電費が発生している。今後、泊原発を再稼働できたとしても、原子力事業が経営改善に寄与するとは考え難く、原子力事業は投資分の回収可能性さえ期待できない。

日本原電、日本原燃に対する長年の出資、投資は実を結んでいない。経営コスト増の要因である破綻会社への援助停止、及び出資済・支援済資金の引き上げを提案する。

 

 

 

 

 

 

第5号議案 定款一部変更の件(5)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第13章 相談役,顧問の廃止

第49条 相談役,顧問を廃止する。(副会長,参与など役割の不透明な有償役職を設けない)

▼提案の理由

顧問,相談役等の役職は,報酬を支払いながら開示せず,役割も曖昧で,旧トップの不祥事の避難場所や院政を続ける温床となることが株主や海外投資家から疑問視されている。多くの国内企業が顧問・相談役制度を廃止している。2018年に東京証券取引所は「上場企業が顧問や相談役の役割を開示する制度」を設けた。2021年度の当社コーポレートガバナンス報告書では,相談役は置いていないとある。昨年の本社回答時点では「当社では,相談役の制度はないが、勤務のない無報酬の名誉顧問は3名いる。顧問はいない。名誉顧問,顧問のいずれも経営のいかなる意思決定にも関与しない」としていた。

原子力発電に関連する不祥事や,経営不振に至った責任を問われるべき人物が顧問に就いている。取締役退任後も会社運営に影響を与え続ける可能性はわずかでも容認できない。本会社が今後も相談役や顧問を置かないことを提案する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第6号議案 定款一部変更の件(6)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第14章 取締役および顧問への報酬の個別開示

第50条 役員の報酬・賞与その他職務執行の対価として会社から受け取る財産上の利益は個々人別に遅滞なく公表する。

第51条 有償の顧問(相談役等の特別な役職)に対する報酬について会計年度内に遅延なく公表する。

▼提案の理由

この議案は,第89回定時株主総会より6年連続で提案し,毎回10%を超える賛成率,昨年第98定時株主総会では過去最高の24.3%の支持を得ている。 毎年の会計報告書には役員報酬は役員の総数に対して総額でしか提示されていない。会計はどこまでも透明化が求められる。その明細を明らかにし,株主に対して納得のいく説明を用意すべきと考える。

また,公益企業である北海道電力の社会的責任の重さを鑑みれば,個々の役員報酬や有償の顧問など特別な役職の報酬を開示すべきである。 経営上の悪化を理由にここ数年,株主配当が無配ないし,5~10円程度の低い配当が続いている。役員報酬は,経営状況に応じて決めるべきものである。

電力料金大幅値上げの申請に至るほどの経営状況下においても役員には少なからぬ金額が支給されている。無配・低額配当を甘受し続けている一株主の立場として,経営責任のある役員及び顧問それぞれの報酬の開示を求める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7号議案 定款一部変更の件(7)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第15章 放射性廃棄物を大気や海洋に放出・投棄しない

第52条 放射性廃棄物を大気や海洋に放出・投棄しない

 

▼提案の理由

放射性廃棄物を大気や海洋に放出することは、大きな健康リスクを伴う。放射性物質は、水中での拡散や海流によって広がり、放射性物質は長期間にわたって海洋生物に蓄積され、食物連鎖によって人体に取り込まれる。大気に放出された放射性物質は風や気象条件によって広範囲に拡散され、周囲の環境や人々の健康に悪影響を与え、呼吸器系を通じて人体に取り込まれ、肺や他の臓器に蓄積される。人体に取り込まれた放射能による癌や遺伝子変異、免疫系の損傷、生殖能力の低下のリスクがある。

北海道の安全、安心な環境、食糧生産を守るために、本会社は、放射性廃棄物を海洋や大気に放出することは避け、コンクリートで固化するなどの安全な方法を採用すべきと考える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第8号議案 定款一部変更の件(8)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第16章 緩やかなカーボンニュートラルへの移行計画

第53条 緩やかなカーボンニュートラルへの移行計画を実施する

▼提案の理由

本会社は、カーボンニュートラルを進める方針です。かつて大きな反対運動が発生し、本会社との訴訟で日本初の「環境権」が認められた伊達火力発電所の休止決定はCO2排出削減に貢献するもので画期的です。また本会社は、石狩湾新港火力発電所(熱効率が良く、CO2排出量の少ない天然ガス・コンバインドサイクル方式)の2号機と3号機の建設延期を撤回し、むしろ建設を早めるべきです。CO2排出量も燃料代も大幅に削減できます。まず火力発電の高効率化でCO2排出を削減し、環境負荷の最小限化が第1歩です。

しかし、同時に石炭火力悪玉論(CO2排出量が多いと言われている)にも懐疑的です。カーボンニュートラルの目的はCO2削減であり、石炭火力廃止ではない。その意味で、苫東厚真での石炭コンバインドサイクル発電所の実験炉の廃炉は残念です。石炭火力廃止と再エネ主力化は次の段階です。緩やかなカーボンニュートラルへの移行を求めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第9号議案 定款一部変更の件(9)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第17章 地熱発電の推進

第54条 地熱発電を推進する

 

▼提案の理由

日本はプレート境界に位置し地震や火山活動が活発で、原子力発電所の立地には不適ですが、地熱エネルギーに恵まれています。とりわけ北海道は日本国内でも有数の地熱資源を有する地域とされています。地熱発電は天候に左右されず、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を減らすことができ、発電コストが安く、熱利用もできます。純国産なのでエネルギーの安定供給・自給率の向上にもつながります。

さらに、地熱発電は地域経済にも貢献します。地熱井の掘削、地熱発電所の建設や運営には多くの人材が必要であり、地元の雇用創出につながります。道内温泉地の弟子屈町などでは、地熱発電後の温廃水を地域暖房や温室栽培の熱源エネルギーとして活用しています。原子力発電のように過酷事故による放射能汚染の心配もありません。

本会社は、2万5千KWの森地熱発電所(濁川)を稼働しています。よりいっそう地熱発電を推進することを提案します。

 

 

 

 

 

 

 

第10号議案 定款一部変更の件(10)

▼議案の内容

以下の章を新設する。

第18章 送配電設備のインフラ整備強化

第55条 送配電設備のインフラ整備強化を進める

 

▼提案の理由

北海道は地震、台風や豪雪などの自然災害が多く、送電網が被害を受けています。実際に2018年の胆振東部地震による全道ブラックアウト、2022年12月豪雪によるオホーツク地域の停電などがありました。重たい雪による鉄塔倒壊や倒木被害は、道内の何処でも起こる可能性があります。冬季の停電長期化は道民の命と健康を脅かします。送電網の強化によって、災害時における電力供給の確保や、復旧作業の迅速化が必要です。

さらに、北海道には風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用した発電所が増えており、より強化された送電網が必要です。送電網の強化は、エネルギーの安定供給のために必要であり、地域経済の発展にも繋がります。

本会社が送配電設備のインフラ整備強化を進めることを提案いたします。