<共同株主提案 (第5号議案から第14号議案まで)>
なお,提案株主(41名)の議決権の数は,663個
第5号議案 定款一部変更の件(1)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第9章 事業性・公共性・倫理性がない原子力事業からの撤退
第41条 事業性・公共性・倫理性がない原子力事業から撤退する
▼提案理由
原子力事故時には周辺住民の被曝防護が保証できない。本会社の事業行為によって広範囲の住民に居住の安全,生命への脅威への不安を常に強制的に与え続けることに拠り,企業倫理が問われる。一方,原子力防災計画や避難は自治体任せにしている。
本会社は電気料金を2011年から2023年までの間に3回も上方修正した。原発を稼働して料金を2011年の値上げ前程度に引き下げると約束できないならば,電力消費者には利がない。泊原発は新規制基準審査のため14年間停止したままで経年劣化が進んでいる。発電設備の規模が大きく,安全設備の建設,老朽箇所の安全対策,維持,保守点検に資金の投入が必須である。原発の稼働率を上げても投資の回収可能性は低く,発電事業として原発が経済的に成立するとは認めがたい。
事業性・公共性・倫理性が成立しない発電事業を継続することは地域社会にとって脅威でしかない。原子力事業からの撤退を決断すべきである。
第6号議案 定款一部変更の件(2)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第10章 会計原則違反の付け替えを止め,原発を含む巨額を投じる発電設備のライフタイムコストを明示第42条 会計原則違反の付け替えを止め,原発を含む巨額を投じる発電設備のライフタイムコストを明示する
▼提案理由
現在,東電福島第一原発事故の賠償費用を「託送料金」に上乗せして徴収しているが,これは使ってもいない東電の賠償費用を新電力利用者に払わせることで,会計原則違反である。しかも,「託送料金」は総括原価方式が残る原価計算で,その内訳も明らかでない。
また,本社利用者も東電の賠償費用を原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて支払っているが,これは現在および将来に亘って払い続ける仕組みで,これらは商取引の付け替えであって,これも会計原則違反である。
新電力利用者及び本社利用者に東電の賠償金を支払わせることは,直ちに止めるべきである。
原発を含む巨額を投じる発電設備のライフタイムコスト(安全対策費,建設費,維持費,保守点検費,発電,廃炉,最終処分費,核燃料専用新港建設費,地域振興費,同上廃炉等支援機構支出金等)を明らかにすべきである。大規模な設備投資における将来的な営業損益への影響の適正な事前評価が必要である。
第7号議案 定款一部変更の件(3)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第11章 泊原発沖の海底活断層に伴う地震動を,変動地形学の知見で評価し直し安全対策に生かす第43条 泊原発沖の海底活断層に伴う地震動を,変動地形学の知見で評価し直し安全対策に生かす
▼提案理由
原子力事故が起きれば被害は甚大であり,決して事故を起こしてはならない。
泊原発が立つ積丹半島の沖合には多数の海底活断層の存在が指摘され,積丹半島の西海岸は過去に何度も隆起した地形を示し,規制委も地震性隆起による離水ベンチを認めている。
2024年1月の能登半島地震以前は,能登半島の海底活断層の長さを94kmと規制委も評価していたが,実際には150kmの範囲で断層が連動し,海岸が4m以上隆起した。変動地形学の手法では,この活断層を認定していた。
変動地形学の手法による積丹半島西方断層は全長70kmになり,M7.8クラスの地震を起こす可能性がある。
現在の耐震設計(M7.3,断層長32km想定)では不十分で,防潮堤を越える津波,4m以上の隆起,埋戻土の不同沈下,地割れ,配管の重大な損傷,発電タービンの軸受けがズレて起きる「タービンミサイル現象」や海岸隆起で核燃料運搬船が座礁するなどの可能性がある。
第8号議案 定款一部変更の件(4)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第12章 地熱発電の更なる推進
第44条 地熱発電をよりいっそう推進する
▼提案理由
日本列島では四つのプレートが交錯している。プレート境界では地震や火山活動が活発で,原子力発電所の立地には不適だが,地熱エネルギーを産み出している。
日本は,世界第3位の豊富な地熱エネルギーを有し,とりわけ北海道は地熱に恵まれている。地熱発電は季節や天候に左右されず,発電コストが安く,純国産でエネルギーの安定供給・自給率の向上につながる。二酸化炭素の排出量が少なく,地熱発電後の温水を地域暖房や温室栽培の熱源に利用できる。また世界の地熱発電タービンの多くが日本製という優位性がある。
地熱発電は,開発リスクがあり,資源調査から事業開始までの開発期間が長いデメリットはあるが,原子力発電のような過酷事故による放射能汚染の心配がない。
本会社は2.5万kWの森発電所を1982年から稼働し40年以上の運転実績があり,2023年からは2千kWの森バイナリー発電所の運転を開始した。地熱発電の更なる推進を提案する。
第9号議案 定款一部変更の件(5)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第13章 コンプライアンス・ガバナンス体制強化 企業倫理委員会の在り方
第45条 企業倫理委員会の在り方を監視する外部委員を置く
第46条 企業倫理委員会を一般株主が傍聴可能にする
▼提案理由
近年,公益企業のコンプライアンス・ガバナンス体制について,高い法令遵守の意識,使命感,倫理観を持ち続けることがステイクホルダーから求められている。コンプライアンスを問われる例として,贈収賄,インサイダー取引,談合,不正経理,セクハラ・パワハラ,情報漏洩,環境汚染,人権侵害,虚偽広告などがある。
既存の常務会,各種委員会など,業務部門からは独立して設置することが必要である。企業倫理委員会は,コンプライアンス経営を監督する取締役会の諮問機関として,①顧客や地域社会からの社会的要請を受信する、②倫理綱領等への違反に対する再発防止策を検討する、③違反者に対する処分等を決定する、④コンプライアンス教育を徹底し周知を行うことを成し遂げる役割を担うべきだ。
企業倫理委員会の機能が十分発揮されていることを株主が納得できるよう,外部委員を置くこと,企業倫理委員会を一般株主が傍聴可能にすることを提案する。
第10号議案 定款一部変更の件(6)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第14章 大容量のバックアップ電源を必要とする原子力発電を「脱炭素電源」と称しない
第47条 燃料の採掘・製錬・濃縮時,および停止時のバックアップを含め,泊発電所1,2,3号機の,発電電力量当たりの二酸化炭素(CO2)排出量の実績値を正確に評価する。
第48条 排出量が他の発電方法による排出量の平均値を超える場合,泊発電所を「脱炭素電源」と称しない。
▼提案理由
GX関連法成立後,核分裂でCO2が発生しないことをもって原子力発電を再生可能エネルギーと並ぶ「脱炭素電源」とし,気候変動への有効な対策とする言説が聞かれる。
原子力発電は,大規模な施設建設及び安全対策工事,燃料の採掘・製造,ウラン濃縮の際には膨大なエネルギーを使う。13ヶ月毎に行う定期点検及び不具合による停止の際には大容量のバックアップ電源を長期間要する。バックアップ電源が脱炭素電源でない場合には,この間もCO2が放出される。長期にわたる使用済燃料の
冷却,廃炉にもエネルギーを要する。ライフタイム全体で真にCO2排出削減に資するかについては異論があ
る。
本会社は泊発電所1,2,3号機それぞれにつき,モデル計算でなくバックアップを含むCO2排出量の実績値
を求め,開示すべきである。原発がライフタイム全体で他の発電方法による排出量の平均値を超える場合には,「泊発電所が脱炭素電源である」とは称しない。
第11号議案 定款一部変更の件(7)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第15章 北海道電力ネットワーク株式会社を完全分離する
第49条 北海道電力ネットワーク株式会社を完全分離する
▼提案理由
本会社の発送電分離は,100パーセント子会社の北海道電力ネットワーク株式会社が発送電を担う,不完全なものである。他地域の事情も同様で,地域分断の色が濃く,全国を統合する供給網の整備は,進んでいない。これが進展すれば全国規模の需給調整が容易になり,電力の安定供給力が向上する。
再生可能エネルギーを活用する余地が広がり,電力価格の低下が期待できる。
全国供給網統合の実現は,電力消費者の利益となり,本会社の利益ともなる。
北海道電力ネットワーク株式会社を独立させ,送電網の地域分断の解消に踏み出すことは,本会社の公益事業者としての役割を果たす道である。
第12号議案 定款一部変更の件(8)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第16章 相談役,顧問の廃止
第50条 相談役,顧問を廃止する。(副会長,参与など役割の不透明な有償役職を設けない)
▼提案理由
この議案は,第89回定時株主総会より継続して提案し,毎回10%を超える賛成率,第100回定時株主総会では16.03%の支持率を得ている。
顧問,相談役等の役職は,報酬を支払いながら開示せず,役割も曖昧で,旧トップの不祥事の隠れ蓑ないし院政を続ける温床となることが株主や海外投資家から疑問視されている。多くの国内企業が顧問・相談役制度を廃止している。本年3月26日のコーポレート・ガバナンスに関する報告書の「相談役・顧問」の項目では,相談役の記載はなく,名誉顧問4名の氏名・役職・地位を公表している。
原子力発電に関連する不祥事や,経営不振に至った責任を問われるべき人物が顧問に就いている。取締役退任後も会社運営に影響を与え続ける可能性はわずかでも容認できない。本会社は今後も有償・無償に関わらず相談役や顧問などの不透明な役職を置くべきではないと考える。
第13号議案 定款一部変更の件(9)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第17章 取締役および顧問への報酬の個別開示
第51条 役員の報酬・賞与その他職務執行の対価として会社から受け取る財産上の利益は個々人別に遅滞なく公表する
第52条 有償の顧問・相談役等の特別な役職に対する報酬について会計年度内に遅延なく公表する
▼提案理由
この議案は,第89回定時株主総会より継続して提案し,毎回10%を超える賛成率,昨年第100回定時株主総会では27.77%の支持を得ている。
毎年の会計報告書には役員報酬は役員の総数に対して総額でしか提示されていない。会計はどこまでも透明化が求められる。その明細を明らかにし,株主に対して納得のいく説明を用意すべきと考える。また,公益企業である北海道電力の社会的責任の重さを鑑みれば,個々の役員報酬や有償の顧問など特別な役職の報酬を開示すべきである。
経営上の悪化を理由に,ここ数年,株主配当が無配ないし,5〜10円程度の低い配当が続いている。役員報酬は,経営状況に応じて決めるべきものである。電力料金大幅値上げの申請に至るほどの経営状況下においても役員には少なからぬ金額が支給されている。
無配・低額配当を甘受し続けている一株主の立場として,経営責任のある役員及び顧問それぞれの報酬の開示を求める。
第14号議案 定款一部変更の件(10)
▼議案の内容
以下の章を新設する。
第18章 議決権個数の正確な計数
第53条 議決権個数を正確に計数する
▼提案理由
本会社の株主総会において,総会当日に来場した株主の議案に対する賛否は,挙手により確認している。しかし,実際には本会社が確認できる特定株主の挙手のみ数え,大多数の出席株主の挙手は全て無視されていることが明らかになった。
総会当日入場に際して受付に渡す「議決権行使書」に記入された賛否は,特定株主以外は無効とされており,挙手は形骸的に行われているに過ぎない。招集通知により当日,わざわざ参加した熱心な出席株主の意志を反映しないことは不合理であり,不公平である。たとえ前日までにネット分を含む議決権の賛否行使によって採決の大勢が決まっているとしても,出席株主の議決権行使数を,後日金融庁に提出する臨時報告書には正確に記載すべきである。